長男の死を乗り越え…草刈正雄がたどりついた“軽みの境地”
「前半戦の見どころは、まぶしいぐらいに光る草刈の演技です。特に堺雅人や大泉洋が演じる息子たちと語り合う場面。これは見る側の心情によるところもあるかもしれませんが、昨年2月に23歳の長男が転落死し、息子に先立たれた草刈の無念な思いが芝居に深みを持たせているように感じます。若い頃にハーフ俳優として二枚目の役を全うし、いい具合に年齢と経験を重ねた。狡猾な一面をコミカルに表現する演技力は一日にしてならず。長年のキャリアのたまものだと思います」(コラムニストの桧山珠美氏)
草刈は先日のスポーツ紙のインタビューで「今でも波のように来ます。胸が重たくなります」と、亡き息子について癒えない胸の内を語っていた。この日の取材会で、麻有は「『真田さん』とあだ名をつけて呼んでいます」と、仲の良い草刈家を感じさせるエピソードを披露。酸いも甘いも乗り越えて、今や“軽み”の境地だ。