謹慎中にも気遣い 北野誠を救ったやしきたかじんの“親心”
■7階建ての飲食店ビルを全店舗制覇
たかじんさんはハシゴ酒が好きでね。京橋の飲み屋街で、1フロアに1店舗ずつ入ってるような7階建ての細長い飲食店ビルの全店舗制覇とか。そんな遊びをしとったんです。そのうち、僕が東京でレギュラーを持つようになって一時、疎遠になったこともあったんですが、それでも時々ふと電話がかかってきて呼び出されるんですわ。「今どこにおんねん。出てこいや」言うてね。
その電話のタイミングが、まあ絶妙。僕のしゃべりが中途半端やったり、日和ったことを言うてたりするとかかってくるんです。行けば、3時間4時間、コンコンと説教されるんですが、親身になってもらえてたんですから、今思うと、そんなにありがたいことはない。よい時も悪い時も、ちゃんと見てくれてました。
よく言うてたことがあるんです。
「俺ら芸人はテレビ見てるお客さんに生かされとるんや。せやから、感謝の気持ちを持って飲みに行かないかんねん」「芸人は破天荒なことするから芸人なんや。守りに入ったらあかん」……。ご自身がね、ずっとそんな生き方してはりました。