橋本奈々未で話題 増える“浪花節的”アイドルのプロ意識
弟の学費を稼ぐために――。そういって仕事に出る姉は、昭和の浪花節的なイメージだろうが、これ、人気アイドルグループ「乃木坂46」の橋本奈々未のことだ。バラエティー番組での引退発表で、貧しい家庭に育ち、弟の学費などを稼ぐためにアイドルになったこと、その弟が大学に入学し、母親に「無理しないで好きなことをしてください」と手紙を送られたことなどを語って、話題になっている。
ファンならずとも「よくやった」とエールを送りたくなる話だが、同じような浪花節のエピソードを持つアイドルは少なくないという。アイドルライターの小野田衛氏が言う。
「アイドルにインタビューすると、イジメられっ子や不登校だったころの話がよく出てきます。そんなつらい経験から『見返してやる!』と強いハングリー精神を持ち、芸能界でのし上がるケースが増えているのです」
その典型例が、でんぱ組.incの古川未鈴だという。
「彼女は、転校が多くて周りにうまく馴染めず、壮絶なイジメを受けていたことをバネにして活躍しています。イジメのエピソードは、楽曲の歌詞になっているほど。社会が窮屈になってきている中、メンタルが弱かったり、つらい思いを経験したりした子たちが、アイドルになることで立ち上がる。そういう姿が、同じような境遇で苦しんでいる子供たちに勇気を与えます。また、『つらいときには逃げてもいい』とメッセージを送りながら頑張っているのです」(小野田氏)