故・藤山寛美に師事 曾我廼家八十吉が見た“ホンマの天才”

公開日: 更新日:

 ちょうど、後に20年連続・無休公演記録となる最中でしたから、休みらしい休みがない。しかも先生は寝るのがホンマに遅かった。自宅代わりの楽屋で、朝の5時、6時まで、テレビや録画した芝居や映画ドラマを見たり、ワープロが新発売になれば、買うてきてチョコチョコ触ってみたり、なんやかんやして朝まで寝ないんです。付き人は当然、起きていなくてはなりません。

 ようやく寝てくれはっても、僕らは11時から舞台がありますから、9時には起きて準備してました。先生は出番が午後からなので、12時まで寝てられますが、僕らは平均3時間か4時間しか横になれないから、慢性寝不足ですよ。

■2時間、3時間のダメ出しはしょっちゅう

 それが毎日。1年365日、休めるのは5日あればいい方。先輩の苦労を目の当たりにしてましたから、声をかけていただいた時はうれしいというより、「1カ月持たんやろな」と思いました。

 ところが、3カ月、半年、1年……と続き、とうとう先生が亡くなる前日までの14年間、そばにおったんです。その間、何百人もが付き人になり、やめていきました。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差