桑田佳祐が即興指導 高樹澪が振り返る“歌手デビュー”秘話
「ダンスはうまく踊れない」で80万枚超の大ヒットを放った女優の高樹澪さん(57)。デビューしたのは1981年公開の映画「モーニング・ムーンは粗雑に」だが、この作品が歌手への扉も開けてくれた。
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「こんなふうに歌ってくれないかな」
1980年12月9日、代官山のリハーサルスタジオ。愛用のギターを爪弾きながら、こうおっしゃったのは桑田佳祐さん(60)でした。
この日、私は81年6月公開の映画「モーニング・ムーンは粗雑に」の打ち合わせで、製作のアミューズさんの事務所へ。そして、それほど離れていないそのスタジオに桑田さんが来ていらっしゃると聞いてご挨拶にうかがいました。桑田さんは「モーニング――」の音楽監督で主題歌「Big Star Blues(ビッグスターの悲劇)」他、挿入歌を担当されていて、私は歌手を目指す主人公の女子大生を演じることになっていたからです。
ただ、私はその日まで歌唱は全然ダメ。事前のテストではアミューズの大里社長(洋吉=現会長)を唖然とさせる惨憺たるありさまで、「歌の部分はダミーにしよう」という案まで出たくらい。