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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

睡眠は短くても長くても脳が萎縮する…7~8時間が健康

公開日: 更新日:

 みなさんは十分な睡眠を取っていますか? 睡眠は多くの病気に影響を与える生活習慣で、以前は食事運動と比べると軽視されがちでしたが、最近ではその影響の大きさが医学的にも注目されています。そこには、簡単に身につけられる健康器具の進歩などにより、睡眠の長さや質が簡単に検査できるようになったことも大きく関係していると思います。

 睡眠が影響する病気として知られているもののひとつが「認知症」です。以前は不眠だけが認知症のリスクになる、というような意見もありました。しかし、たとえば2021年に認知症の専門誌に掲載された論文では、1日5時間という短時間睡眠の場合以外に、9時間という長い睡眠時間も、同様に認知症のリスクになる、という研究結果が報告されています。睡眠は短くても長くても、認知症のリスクになるようなのです。

 それでは、睡眠時間はどのような影響を脳に及ぼすのでしょうか?

 今年の睡眠科学の専門誌に掲載された論文によると、これまでの研究データをまとめて解析した結果として、短時間睡眠や長時間睡眠をしている人は、MRI検査において脳の萎縮(小さくなる)傾向が認められました。特定の睡眠の異常があると、認知症で障害される部位に一致した萎縮があることも明らかになりました。

 毎日7~8時間くらいの睡眠を続けることは、認知症の予防にとっても重要な生活習慣であるようです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

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