みうらじゅんが語る いとうせいこうとの“不思議な関係”
そうこうしてるうちに96年から「ザ・スライドショー」がスタート。この台本のないイベントは僕が旅先で見つけた変なモノを写真に撮り、それにいとうさんが漫才よろしくツッコミを入れるというスタイルですが、そこで僕は実はボケだということに気づかされたというか、芽生えさせてくれたんです。
いとうさんのツッコミは臨機応変でね。メーンの被写体以外、たとえば日付だったりたまたま写り込んだ人だったり、僕が予期せぬ脇役にスポットを当ててくる。そのツッコミに僕がアタフタするのがショーの面白さの要素なんですけど、以来撮影する際には被写体だけでなく、撮影してる僕までも俯瞰で見るようになりました。
それは現在の他の作品作りにおいても、モノの見方という面で大いに役立っています。そこに気づかせてくれたのはいとうさんのおかげ、多大な影響力があったと思いますね。
あれやこれやで、今や親友というよりは親戚。お互いの両親を交えて旅行してますし、微妙なニュアンスだけど「僕ら付き合い長いからそろそろ籍を入れようか」の感覚です。