祖母と留学経験が後押し ジェロが演歌歌手を決意するまで

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■「もし日本に戻れるなら歌手を目指そう」

 友だちに「僕は演歌が好きなんだ」と話すと、最初はみんな驚くんですが、カラオケで坂本冬美さんの「夜桜お七」とか五木ひろしさんや美空ひばりさんの曲を歌うと、本当に好きなことを分かってくれました。

 そんな経験を重ねて、日本のことをもっと知りたい、また戻ってきたいって思うようになり、帰るころには「もし次に日本に戻って暮らせるなら歌手を目指そう」という思いを強くしたんです。

 何か特別な瞬間があって、「歌手になりたい」と思ったというよりは、留学中に経験した何げない一つ一つが、日本で歌手を目指そうと決心した瞬間だったのかもしれません。

 そして、次に来たのは卒業してから。米国に戻って日本に住むにはどうしたらいいかを調べて、最初は英会話教室の教師に採用されました。ただ、歌手になるにはどうすればいいかは本当に手探り。調べても誰かのお弟子さんになるか、スカウトされるかしかありませんでした。それならスカウトされようと、各地で開かれていたカラオケ大会に参加するようにしました。

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