イシグロ氏と何が違う 村上春樹がノーベル賞取れない理由
ファンは狂喜乱舞だろう。今年のノーベル文学賞を日系英国人作家で「日の名残り」などの作品で知られるカズオ・イシグロ氏(62)が受賞した。授賞理由は「偉大な感情の力を持つ数々の作品において世界と結び付く、われわれの幻想的感覚を深い根底から見つけ出してきた」というもの。
イシグロ氏は1954年、長崎市で日本人の両親の元に生まれ、5歳で海洋学者の父らと英国に移住。のちに英国籍を取得した。幼時の日本の記憶を描いた長編デビュー作「遠い山なみの光」(82年)で王立文学協会賞を受賞。89年の「日の名残り」は英国貴族に仕えた執事の半生を描いて英文学界最高の栄誉とされるブッカー賞を受賞、アンソニー・ホプキンス主演で映画化された。05年の「わたしを離さないで」は10年にキャリー・マリガン主演で映画化。昨年、TBSが綾瀬はるか主演で連ドラ放送した。
ノーベル文学賞といえば、恒例行事のように村上春樹氏の名前が取りざたされ、ファンをがっかりさせている。そんな中、思いもよらぬダークホースが賞をかっさらったわけだ。なぜ村上春樹ではないのか。