「戦艦ポチョムキン」は名作 映画で知るロシア革命100年
今年2017年はロシア革命から100年。プーチン大統領の下で、ますます存在感を増すロシアだが、政治・軍事のみならず文学・音楽など芸術大国でもある。中でも時代を映す鏡といわれる総合芸術=映画はこの国をどう描いてきたのか。
「ロシアを理解するのに映画はわかりやすい手段だと思います。まず絶対に外せないのは『戦艦ポチョムキン』(25年、ソ)。ロシア革命について描いた内容もさることながら、後世に与えたインパクトがけた違いです。たとえばオランダでは数年後、本作に影響を受けた水兵による映画同様の反乱が起きていますし、画期的な演出術はデ・パルマやコッポラはじめ後の映画人のお手本にもなりました。現代の映画ファンから見ても『これが元ネタか』と驚くシーンがいくつも見つかるはずです」(映画批評家の前田有一氏)
1905年に起きた黒海艦隊最強の戦艦ポチョムキン号の反乱は日露戦争終結の呼び水となり、これを機に帝政ロシア政府も衰退へと向かう。その後、第1次世界大戦勃発による物価暴騰に反発した労働者らの2月革命により、ロマノフ朝の支配は終結。やがてソ連共産党が台頭し、1922年、世界初の社会主義国ソビエト連邦が誕生する。