著者のコラム一覧
ラリー遠田お笑い評論家

1979年、愛知県名古屋市生まれ。東大文学部卒。テレビ番組制作会社勤務を経てフリーライターに。現在は、お笑い評論家として取材、執筆、イベント主催、メディア出演。近著に「お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで」(光文社新書)などがある。

叔父は上岡龍太郎 兄弟漫才の新星「ミキ」のポテンシャル

公開日: 更新日:

 漫才とは会話の芸である。漫才師の中に夫婦や兄弟でコンビを組む人がいるのは、親しい関係であれば初めから会話のリズムが噛み合っているという利点があるからだ。

 日常的に会話をしていて、お互いのしゃべる間合いが体で分かっているため、漫才の中でも自然な感じで会話を進めることができる。それが夫婦コンビや兄弟コンビの強みだ。

 中川家に続く兄弟漫才師の新星として注目されているのがミキの2人だ。昨年末の「M―1グランプリ」では、初めて進んだ決勝で最終3組にまで勝ち残り、その名を一躍全国区に知らしめた。

 彼らの漫才の魅力は、もちろん兄弟ならではの息の合った掛け合いである。ボケ担当の弟の亜生(29=写真左)が変なことを言うと、すかさずツッコミ担当の兄の昴生(31=同右)が甲高い声でそれを訂正する。それでも亜生がとぼけた様子を見せていると、どんどんツッコミの語気が強まり、感情もヒートアップしていく。

 ネタの設定や発想にはそれほどとっぴなものがあるわけではない。むしろ、今どき珍しいほどシンプルな形のボケを平気で繰り出してくる。ただ、2人のテンポのいい会話の中でそれが不意に出てくると、思わず笑いがこみ上げてくる。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    伊藤美誠がパリ五輪シングルス代表絶望で号泣…中国も恐れた「大魔王」はなぜ転落したのか

  2. 2

    レスリング須崎優衣は“自爆”の初戦敗退で大号泣…終了間際に逆転許した「悪い癖」とは

  3. 3

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4

    選手村は乱交の温床、衝撃の体験談…今大会コンドーム配布予定数は男性用20万個、女性用2万個!

  5. 5

    小池都政の“土地狂った”築地跡地再開発 三井不動産などへの借地料が不当に安すぎる根拠

  1. 6

    フワちゃん芸能界追放へ…やす子への暴言炎上は鎮火せず SNSの“NGフレーズ”が致命傷

  2. 7

    フワちゃん不適切投稿騒動…ご意見番の"仲裁"炎上で露呈した芸能界の悪しき慣習

  3. 8

    旧ジャニーズ劣勢が浮き彫りに…THE RAMPAGEの新曲がオリコン初登場1位で「WE ARE」に“土”

  4. 9

    五輪選考めぐり石川佳純も「NO!」卓球協会は現役メダリストの反論をいつまでスルーするつもりか

  5. 10

    レスリング藤波朱理の無敗記録を止めるのは…まさかの五輪4連覇・伊調馨?試合前の「不穏な」やりとり