伊藤美誠がパリ五輪シングルス代表絶望で号泣…中国も恐れた「大魔王」はなぜ転落したのか
女王の座から、瞬く間に滑り落ちた。卓球女子の伊藤美誠(23)が、26日の全日本選手権女子シングルス6回戦で木村香純(24)に3-4で逆転負け。今夏のパリ五輪代表選考の最終対象大会で8強入りを逃し、シングルスでの五輪切符獲得は絶望的になった。
選考レースで3位につけていた伊藤は、残り1枠を2位の平野美宇(23)と争っていたが、同学年で幼少期からしのぎを削ったライバルの平野は8強入り。自身初の五輪シングルス代表をつかみ取った。
「すごくうれしい」と素直に喜びを口にした平野とは対照的に、敗戦後の伊藤は会場の通路で号泣。残酷なまでに明暗が分かれたが、それにしてもだ。
伊藤は2021年の東京五輪のシングルスで日本卓球史上初の表彰台となる銅メダルを獲得。混合ダブルスでは悲願の金メダルを手にしたが、その後の転落ぶりは卓球関係者も驚くものだった。
「22年以降、国内のTリーグを除く国内試合、国際試合のシングルスでほとんど勝てなくなってしまった。22年は年明けすぐの全日本選手権にこそ優勝したものの、13大会で表彰台のトップに立ったのはそれを含めてわずかに3度。23年は15大会でシングルスを制したのはたった1回でした。東京五輪の燃え尽き症候群もあったでしょう。加えて、国内国外の有力選手からのマークがいよいよきつくなり、研究され、さらに臀部や腰の故障も重なった。試合後、肋骨にも痛みを抱えていたことも明かしました。それにしても、最強中国から『大魔王』の異名で恐れられた伊藤がここまで勝てなくなるとは、誰も想像できませんでした」