著者のコラム一覧
てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

市川紗椰に嫉妬 久米宏がこだわる生きた番組をつくる言葉

公開日: 更新日:

「『ニュースを番組にする』ということは、原稿の内容に加えてキャスターの表情や話し方、出演者の服装、セット、小道具などをすべてつくりあげていくということだ。そして、テレビではこの外観のイメージ、雰囲気が決定的に重要な要素となる」(世界文化社「久米宏です。ニュースステーションはザ・ベストテンだった」2017年9月13日発売)

 スタジオに都会的でオシャレなオフィス空間を誕生させた。それはまったく新しいニュース番組を象徴するものだった。

 そんな中、久米にとって大きな壁になったのがニュース原稿だった。報道記者が書くニュース原稿は「心が洗われるような白い雪」だとか「憎しみが憎しみを招く連鎖」など昔ながらの名文調、美文調ばかり。一文が長く分かりにくい。だから久米は記者たちに「普段話す言葉で書いて欲しい」と繰り返し要望したが、なかなか分かってもらえなかった。本番の最中はもちろん、読み始めてアドリブで言葉を差し替えることさえあったという。

 そして新鮮な言葉になるようにこだわった。アシスタントを務めた小宮悦子は、「手垢の付いた言葉は使うな」と久米から言われ続けたという。「たとえばパンダを見たらカワイイと言うな。桜を見てキレイと言うな。違う言葉で表現しなさい」(TBS「サワコの朝」17年3月18日)と。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  3. 3

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 4

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  5. 5

    マイナ保険証「期限切れ」迫る1580万件…不親切な「電子証明書5年更新」で資格無効多発の恐れ

  1. 6

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  2. 7

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  3. 8

    Mrs.GREEN APPLEのアイドル化が止まらない…熱愛報道と俳優業加速で新旧ファンが対立も

  4. 9

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  5. 10

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差