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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

市川紗椰に嫉妬 久米宏がこだわる生きた番組をつくる言葉

公開日: 更新日:

「力抜けて、ふにゃぁっと柔らかく。ボクはああいうふうにしてニュースを伝えたかったんです」(久米宏フジテレビ「ボクらの時代」1月14日放送)

 この日、共演したモデルの市川紗椰(30)に、久米宏(73)は会いたかったという。なぜなら、市川がメインキャスターを務めた「ユアタイム」(フジテレビ)が好きだったからだ。

「あんなふうなしゃべり方でニュースを伝える人はいまだかつていなかった」と久米は言う。普通の言葉で何げなく、隣の人に話すような彼女の原稿の読み方が大好きだった、と語る彼の言葉を今週は取り上げたい。

 言うまでもなく、久米はテレビのニュース番組を変えた男だ。1985年から始まった「ニュースステーション」(テレビ朝日)は革新的な番組だった。それまで堅いイメージだったニュース番組を、柔らかい娯楽性の高いものに変えた。その結果、ニュース番組にもかかわらず、ピーク時は視聴率20%前後をコンスタントに獲得する高視聴率番組となった。

 番組を始める時に、久米が徹底的にこだわったのが、スタジオのセットだった。

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