急死次男は“音楽の良き相方” 父・北島三郎の「塞翁が馬」
「あの、大事な、大好きな、かわいい我が子が、先に逝ってしまった」
北島三郎(81)はそう絞り出すように言うと、次の言葉を継ぐことができずに、沈黙した。次男の大野誠さん(享年51)を亡くし、東京・新宿の京王プラザホテルで7日夜に行われた報道陣の囲み取材。左腕をスタッフに抱えられるようにして現れた北島は顔面蒼白で、「子どもに先立たれるつらさ、悲しみが身に染みています」と涙ながらに語った。
誠さんは北島音楽出版の役員にして、元ミュージシャン。ロックバンド「1st BLOOD」のボーカルとして、1988年にデビューした際には「まだまだ俺にはかなうまい」などと辛口のエールを送ったそうだ。
北島は改めて、こう振り返った。
「息子だけど、音楽の、とても良い仲間でもあった。良き相方。私ではとても思いつかないような歌詞など、素晴らしいセンスを持っていた。未発表曲もいっぱいあってね、それをこれから、あいつのためにも出していこうかと……」
3日夜、東京都調布市の自宅で遺体となって発見された誠さんは一人暮らしで、3年ほど前から「ちょっと体調が悪い」と言い、肝臓の数値などを気にしていたという。遺体に外傷はなく、病死とみられている。