阪神戦名実況アナから転身 教師になった清水次郎さんは今
昨年4月から地理歴史科の教諭。担当は1年生の現代社会4コマと2年生の世界史A6コマ、そして総合学科の授業2コマの計12コマだ。
同校の西岡光信教頭は「元アナウンサーだけに“ツカミ”が上手。話も面白く、初任とは思えない」と目を細める。
放課後、清水さんの姿は校舎に隣接するグラウンドにあった。授業中の私服から野球部の紺と白のユニホームに着替え、部員相手にノックをし、ティーバッティング練習の際はトスを上げる。
「肩書は顧問です。月曜とお盆、正月以外は毎日練習があり、日曜は試合。そのあたりは他校と変わりありません」
通勤に30分ほどかかる自宅には奥さまと小学1年の長男、4月から幼稚園の年少組に入る次男が待つ。
「帰宅は夜9時すぎです。あまり子供たちと接する時間がなくて、申し訳ない。家内の理解がないととても続けられませんね」
■多忙の中、教員資格取得に5年の苦労
さて、清水さんは東京・狛江市生まれ。早稲田実業時代は野球部に所属し、「一度もベンチ入りできなかった」が3年間、白球を追った。進学先は早大文学部。スポーツアナ志望で、関東、東海、関西の主要局のほか、北海道や静岡県のテレビ局を就活。朝日放送にスポーツ担当アナウンサーとして入社したのは1994年4月だった。