先代円楽が熟考した「世の中で一番バカバカしい言葉」とは
「父親を反面教師にしてるんですかね。とっても真面目で、真摯に落語に取り組んでます」
円楽の没後、王楽は好楽一門になった。孫弟子を含めて総勢15人の大所帯である。演芸専門誌に一門が取り上げられた際、「落語界でも随一の仲の良さを誇る、宴会好きなおもてなし一門」と紹介された。
「1番弟子の好太郎、2番弟子の兼好。2人ともよくやってると思います。決してひいき目でなく」
特に近年では兼好(1998年入門)の活躍がめざましい。大きなホールでの落語会で、春風亭一之輔、桃月庵白酒、立川生志ら他団体の売れっ子落語家と共演して引けを取らない。
「会津若松出身で、入門前は魚河岸で働いてました。配達に使ってたバイクに乗って入門志願に来ましたから。聞いたら、28歳で結婚してると言う。すぐ奥さんに確認しましたよ。本当に落語家になるのを許したのかって。すると、『どうしてもなりたいと言ってますからお願いします』と答えたので弟子にしました。先輩の前座は皆年下なのに、よく務めました。会津なまりをたちまち克服して、とにかく噺を覚えるのが早い。10年で真打ちにしました」