“感染者”続出 「カメラを止めるな!」が異例ヒットのワケ
記者も劇場で見てみたが、大爆笑シーンの連続で観客の一体感に驚いた。作品は前半と後半に分かれており、前半の37分ノーカットのゾンビが人間に襲いかかるシーンはチープで迫力がなく、演出がチグハグしている場面が多い。期待外れかと思いきや、なぜか周りの客はゲラゲラ。後半の舞台裏映像を見て納得した。“種明かし”みたいに見事にストーリーがつながるのだ。指原がSNSで“2回見た”というように、リピートの客が多いのもうなずける。
映画ジャーナリストの大高宏雄氏が言う。
「最近、邦画の実写作品は厳しくなっています。人気コミックの原作、ベストセラー小説の映画化も最近は飽きられています。しかし、『カメラを止めるな!』は原作なし、予備知識なしの異例の作品です。観客はそこに面白さを感じたのだと思います。初めに37分間のゾンビシーンがあり、その後、メーキング映像が流れるのですが、どういうふうにゾンビのシーンが作られたのか、見ている側のイマジネーションを求められ、つじつま合わせをさせられるのが非常に面白い。マスコミにも取り上げられ、今後、TOHOシネマズなど全国で拡大公演されることを考えると、興収5億円に届くのではないでしょうか」
“感染者”が続出しそうだ。