青春の1ページ 修学旅行で他校の生徒に見つかり大パニック
都立高校の出席日数が足りず、進級がかなわなくなったのもこの頃。留年というシステムがなかったため、私立の女子高に編入した。大学に進む道をあきらめてはいなかったので、何としても卒業したい。かといって、芸能人が多く通う有名私立には入りたくなかった。それで2回目の2年生となり、やりなおした。
結果的には、それでよかったと思っている。ここで多くの友達ができたし、修学旅行にも行くことができた。九州を回る旅行で、私は最初と最後の4日間だったけれど、福岡、長崎、宮崎、鹿児島を観光できた。最も楽しかったのは大浦天主堂だ。グラバー邸のすぐ近くにあるカトリック教会。ステンドグラスがとにかくすてきで幻想的なのだ。
先生から下を向いているように言われ、うつむいていたものの、同じ修学旅行の他校の生徒たちに見つかってしまった。すぐに集団となり、追いかけられた。バスに戻るには、なだらかで長い坂を下らなければならない。どうしようと思っていると、同級生がガードしてくれた。そして、足早に去った。坂の途中、お土産屋さんから「こっちへおいで」と声をかけてもらった。お店の隅に私たちが身を隠すと、追いかけてきた他校生たちにお土産屋さんは「あっちへ行ったよ」とあらぬ方向を指さしてくれた。そうやって時間を稼ぎ、間隙を縫ってバスに戻って事なきを得た。同級生と息を切らし、笑い合ったのは大切な青春の一ページだ。
怒涛の10代を終えて、ようやくほっと一息つけたのが、20代の前半。同級生の多くは社会人になっていた。