青春の1ページ 修学旅行で他校の生徒に見つかり大パニック
大西結花編 <6>
10代は男性とふたりでしゃべることさえ、いけないことだと言われていた。アイドルタレントを仕事にしている以上、恋愛禁止は当たり前と、それを疑うこともなかった。素顔で笑えるのは楽屋で同年代の女の子たちとわいわいやって、ポーチの化粧道具を見せ合うときくらい。男性アイドルと電話番号をこっそり交換したとか、密会デートなど一度もない。
空き時間を見つけると、マネジャーとラフォーレ原宿に走って、ひとときの買い物を楽しんだ。また、高校時代の同級生がドライブに誘ってくれ、夜景の奇麗なスポットに行ったのを覚えている。人気な場所で人も多く、私だと誰かに気付かれたらと思うと落ち着かなかったけれど、束の間のオフを楽しんだ。通学中に男子生徒に囲まれた経験から、何かあったらどうしようと不安もあったけれど、それもすてきな思い出だ。
ドラマ「スケバン刑事Ⅲ」以後も、たくさんのお仕事をいただいた。「8時だョ!全員集合」の終わる年にゲスト出演させていただいたのも幸運だったと思う。
♪ババンババンバンバン
あのエンディングテーマの振り付けを番組スタッフさんから、教わった。ドリフは知っていたし、友だちと真似して遊んでいたりしたけれど、正式に身ぶり手ぶりを教えてもらえてうれしくないわけがない。加藤茶さんが「風邪ひくなよっ、勉強しろよっ」と言う同じステージに自分が立っているのが不思議だった。