当時の披露興行は飲み会を毎晩開くのが恒例 鹿児島人は…
1987年、渋谷109で新作落語のネタ下ろしの会、「らくご倶楽部109」が始まる。メンバーは竹丸、三遊亭歌之介、春風亭勢朝、そして春風亭昇太である。
「毎月ネタ下ろしを演じたことで創作力が身に付きました。会の翌日に反省会を開いて、こうしたほうがもっと面白くなると、皆でネタを直し合ったのも勉強になりました。まあ、一番受けてたのは昇太ですけどね(笑い)。その頃作った『愛犬チャッピー』『力士の春』『ストレスの海』なんか今でもやってますよ。地方の落語会では必ず受けるそうです。あいつがいくらギャラをもらってるか教えましょうか」
それは個人情報だから聞かなかった。
竹丸が得意とする歴史ものの地噺、「田原坂」「五稜郭」などは、らくご倶楽部109でネタ下ろしした作品だ。
「昇太が『ストレスの海』でNHK新人演芸コンクールに出て、優秀賞を取りました。先を越された私は翌々年、『五稜郭』で出場し、最優秀賞を受賞しました。言っておきますが、優秀賞は2位で最優秀賞は1位ですからね。昇太にそう言ってやったら、彼も負けず嫌いですね。『でも、兄さんが取った賞はそれだけでしょ』って言い返されました。確かに昇太は国立演芸場主催の花形演芸大賞、芸術祭大賞などたくさん取ってます。だから私も言ってやりました。『おめでとうございます』って」