“遅咲きの座長”川畑泰史さん 就任初公演の夜は小籔千豊と
おまけに一発ギャグとかアクションよりもそれぞれの役柄の関係性の中で笑いを取ろうとしていて、ストーリーにスッと入れるようにセリフを振ってくれたんです。他にそんなこと考えてる若手はおらんから、「この子、すごいなあ」って感心してましたよ。
それから1年ぐらいでビリジアンが解散して小籔君は新喜劇へ。入ったものの未知の世界やから最初は戸惑うことが多かったんやろね。「これ、どうしたらいいんですかね」ってようけ質問されました。以前、一緒に仕事してるから聞きやすかったんでしょう。そんなこんなで先輩後輩とか年齢をお互い意識せんと話し合えるいい関係ができて、しかも小籔君は漫才からのいわば転職で後がないし、通行人とかチンピラ役ばかりしてる時に結婚したから収入もアップさせたい。僕は僕で、新喜劇歴10年以上になり、将来のことも考えなならん。
■2人で話し合った「座長になる」という結論
2人で話して得た結論は「座長になる」ことやった。その後は座長を視野に入れて2人でネタ考えてどんどんやっていったんです。こんなこともありました。酒席で新喜劇のプロデューサーに大口を叩き、「ほな、やってみい」。4日ほどで合作したお寺のお坊さんの芝居のプロットの評判がよくて舞台化したらチケットは完売。そんな努力が認められ、06年2月、小籔君が新喜劇の座長に就任しました。僕より先やったんです。