“遅咲きの座長”川畑泰史さん 就任初公演の夜は小籔千豊と
吉本新喜劇60周年記念のワールドツアー中の川畑泰史座長。サラリーマンからの転職、座長就任は入団16年の遅咲きだ。
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「これで互いに自分のことを考えるのはやめて、新喜劇のことを考えていけますね」
小籔(千豊)君がしみじみとした口調でこう言うてくれたのを聞いてホンマ、心の底からホッとしました。2007年6月、座長に就任して初めての公演を終えた晩、遅い晩飯を食べに入った梅田の寿司屋やった。僕としては「待たせてすまんかったなあ」って気持ちでいっぱいやったんですけど、それは口にはできなくて。言わんでも小籔君ならわかってくれてる思うたから。
小籔君は僕より6歳年下、NSC(吉本総合芸能学院)は3期下。最初は漫才コンビを組んどったから吉本新喜劇入団は01年。僕は91年に新喜劇に入ってるので年齢も芸歴でも先輩やけど、彼がいてなかったら座長になれてなかったと思うんです。
初めて一緒にやった仕事は、大衆演劇と新喜劇、よしもと若手芸人の日替わりコラボ公演やから、もう19年ほど前。当時小籔君はお笑いコンビ・ビリジアンのボケやったけど、「野性爆弾」「キングコング」「ロザン」ら若手注目株が出てる中で、ダントツにオモロかった。