月亭方正さんの落語家転身は先輩・東野幸治のアドバイスで
“いじられキャラ”で「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」ほか、バラエティーで活躍した山崎邦正さん(51)。落語家・月亭方正と名乗り7年目になるが、転身の理由とは……。
◇ ◇ ◇
あの日はホンマ、衝撃的でした。今から11年前(08年)の春先、40歳になってすぐの頃。桂枝雀師匠の「高津の富」(江戸落語では「宿屋の富」)を初めてCDで聴いた時のことですわ。
それまではテレビ中心のお笑い芸人やったから、「テレビは古典をつぶしていくもんや」と勘違いしてました。ところが、“枕”を聴いた途端、「あれ?(意外と)おもろいやん」と耳をそばだて、富籤が当たるくだりからはグイグイ引き込まれたんです。
これをきっかけに、暇さえあれば枝雀師匠のCD・DVD全集をずーっと聴きっぱなし。1日3席4席はザラやった。そして独学で覚えた「阿弥陀池」を初めてお客さんの前で披露したのがその年の5月。月亭八方師匠の勉強会「月亭会」です。八方師匠が吉本興業の先輩やからいうても、本来は畑違い。八方師匠の息子で飲み仲間の落語家、月亭八光に頼んだんです。