「ひとよ」白石和彌監督が激白 文化庁の助成金問題に反論

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 白石和彌監督(44)の映画最新作「ひとよ」。DV夫を殺して15年後に家に戻ってきた母と戸惑う家族の物語だ。犯罪をモチーフに人間の根幹を描く白石監督に作品と文化庁からの助成金取り消し問題で揺れる現代映画界の問題点を聞いた。

  ◇  ◇  ◇

 本作は舞台が原作。なぜこの作品を映画化したのか?

「『凶悪』など、僕の作品に犯罪が多いのは、人間の本質が見えやすいからです。中でも加害者と被害者が同じ家族の中にいるところに惹かれました」

 母親役の田中裕子の熱演も話題だ。

「田中さんが決断されてこの作品は動きました。一度は断られたのですが、代わりが思いつかないので2年越しで待って。そこから他のキャスト陣も(オファーを)快諾してくれました」

 作品の色味にもこだわりがあるとか。

「スピルバークも使っている“銀残し”という手法を使い、くすんだ色や鉛のような質感で、家族にのしかかる罪、地方の現状を表現しました。今は地方だけではなく、日本全体にも影があり……海外に行くと日本は経済的に弱くなっていると痛感せざるをえません。SNSは悪口ばっかりで正義をはき違えている人が多すぎるし、表現の自由も危ぶまれるおかしな状況になっている」

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