「ひとよ」白石和彌監督が激白 文化庁の助成金問題に反論
ピエール瀧は「サポートしていく」
白石作品の常連でもあるピエール瀧の出演を理由に映画「宮本から君へ」が文化庁から助成金を取り消されたばかりだ。
「ここ数年、SNSでつぶやいても声をあげたことにはならないと気づいたので、僕は行動を起こすことにしています。僕の『麻雀放浪記2020』も公開するか否か問題になりましたが、作品と逮捕は別。最近『KAWASAKIしんゆり映画祭』で『主戦場』の上映中止に対する抗議として、僕の作品上映を取り下げました。結局『主戦場』も公開されたので再上映しましたが“表現の自由”は民主主義の根幹です。ところが自分のことは棚に上げて、助成金の上部組織である文科省職員の机の引き出しから覚醒剤が出てきて逮捕されている。文科省こそ自分たちの予算を見直せと言いたいですね。そもそも一度罪を犯した人に対して厳しすぎる。執行猶予とはもう一度社会に出て人生を立て直すための時間なのだから、排除すること自体矛盾している」
ピエール瀧についてこう語る。
「現場での印象はいつものように頭が良くて、その場にいる人を楽しませてくれる人。情があって、僕がやりたいと言ったことはすべてやってくれる。『凶悪』の頃から僕を監督にしてくれた人でもあるし、どういう状況であれ、瀧さんの人生はサポートしていくつもりです。瀧さんには社会に貢献できる働き方をして、象徴になってもらいたいと思います」
「ひとよ」を通して訴えたいことは?
「家族の話なので立場ごとに感情移入できると思います。見たら映画界の問題も含めつつ、家族に思いを馳せてそのまま飲みに行ってもらいたいですね」
(聞き手=岩渕景子/日刊ゲンダイ)
■映画「ひとよ」TOHOシネマズ日比谷ほかで公開中/出演:佐藤健、鈴木亮平、松岡茉優、佐々木蔵之介、田中裕子