“嵐祭り”では難 NHK紅白は五輪延期にコロナ禍でどうなる?
■業界全体が停滞
「本来なら、“目玉”はNHKオリンピック・パラリンピック放送スペシャルナビゲーターを務める嵐だけでよかったんです。20年いっぱいで活動休止すると発表した彼らを盛大に見送ってあげれば視聴者も納得してくれたでしょう。ところが、東京五輪が延期となり、自粛ムードと景気低迷で世相がこれだけ暗くなった今、“嵐祭り”だけでお茶は濁せません。これから志村けんさんの追悼企画なども検討するのかもしれませんが、はたしてそれだけで済むのかという声も出てきそうです。視聴率を底上げするために『チコちゃんに叱られる!』と『麒麟がくる』に出演しているナインティナインの岡村隆史さんに総合司会を内々で打診しているという報道もあります。たしかに岡村さんは人気番組を支える“視聴率王”ですが、彼が総合司会を引き受けてくれたとしても問題がすべて解決するわけではありません」(NHK関係者)
昨年の紅白はトリを含む第2部の視聴率が、2部制となった1989年以降で過去最低となった。NHKとしては挽回が最重要課題かもしれないが、そもそも大晦日の時点で新型コロナが終息しているかも不透明だ。仮に終息していたとしてもNHKホールを満席にして観客とミュージシャン、制作スタッフの身の安全を確保できるかという問題も出てくるだろう。
新型コロナは公共放送にも容赦なく難しい課題を突き付けている。