全国で1ケタ台…緊急事態宣言で上映館数激減の本当の怖さ
これは何も映画界だけの話ではない。逆境にめげず、さまざまな分野で何とかやりくりしてきた組織や個人が、今回の事態を1つの潮時としてとらえ、身を引くような事例が増える気がしてならない。支援への期待云々というより、気持ちが折れてしまう、萎えてしまうといった、もっと根深い問題をはらんでいるようにも思える。
とにかく、映画を上映している映画館は、限りなくゼロに近づいている。筆者は、映画館はそれぞれに特徴があり、形態にも雑多な色合いがあるのがふさわしいと思っている。それが映画の活力を生かすことに直結すると考えるからだ。
映画に生命を吹き込むのは街場の映画館だ。大手、中小の枠を超え、あらゆる映画館が、この未曾有の危機を何とか乗り越えてほしいと切に願っている。
(映画ジャーナリスト)