「ランボー」新作不運…ジブリ旧作トップ3独占のからくり
スタジオジブリの過去作品が、週末の興行ランキング(興行通信社発表)で上位3本を占めたことが評判になった。それも2週連続である。このコロナ禍のなか、新作を押さえたジブリの強さを改めて知らしめたのだが、順位に少し誤解がある気もしたので、はっきりさせておきたい。
同ランキングは毎週月曜日、週末(土・日曜)の各作品の入場人員(動員)を出して、順位を定めるものだ。動員に入場料金を掛けた、いわゆる興行収入(興収)を計算、比較したものではない。順位に間違いはないのだが、動員計算により新作の興行がそのぶん、脇に追いやられた印象があった。
実のところ興収でいえば、6月27、28日の土日では、ジブリ作品と同時公開となった新作の「ランボー ラスト・ブラッド」がトップであった。土日で興収9800万円を記録し、これはジブリ3作品を上回る。目標からすると少し足りないとも言えるが、それでも週末“興収”トップであった事実は間違いない。
26~28日までの3日間でいえば、1億4550万円を上げ、土日動員1位の「千と千尋の神隠し」の1億1850万円(3日間)を3000万円近くも上回っている。しかも、この3日間なら動員でもトップ。つまり、公開初日26日(金曜)に、「ランボー~」はとくに稼働したということになる。ただ2週目の7月4、5日では、「ランボー~」は動員、興収ともにトップに立つことはできなかった。