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二田一比古ジャーナリスト

福岡県出身。大学卒業後、「微笑」(祥伝社)の記者に。その後、「Emma」「週刊文春」(ともに文芸春秋)をはじめ、多くの週刊誌、スポーツ新聞で芸能分野を中心に幅広く取材、執筆を続ける。フリー転身後はコメンテーターとしても活躍。

陰のある百恵、明るい聖子…そして明菜は「謎めいた不良」

公開日: 更新日:

 山口百恵松田聖子に続いて最強アイドルの座に就いたのが中森明菜だった。百恵と同じ「スター誕生!」出身だが、「幼い顔で暗い感じ」というのが周囲の印象で期待値はさほど高くなかった。

 1982年、16歳でデビュー。伸びやかな声で次々とヒット曲を連発する。楽曲に合わせた斬新で大人っぽい衣装も目をみはった。ミニの可愛らしい服がアイドル歌手の定番だったイメージを覆すものだった。聞くところによると本人の意向も取り入れられていたという。

 百恵が陰のある子、聖子が明るい少女なら、明菜はどちらにも属さなかった。2枚目のシングル「少女A」の大ヒットの影響もあってか「不良っぽい謎めいた子」というイメージがついた。ファン層も暴走族風の不良っぽい男の子が主流となった。新たなアイドルの誕生にメディアも注目。身辺取材に動き出していた。

「頻繁にマネジャーを代える」などわがままぶりの話が伝わってきた。「売れたらわがままぐらい当たり前。スターになった証拠」と軽く受け流していたが、後にこのわがままが歌手生命に少なからず影響を与えることになる。

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