「カネ恋」亡き三浦春馬さんの笑顔と好演も記憶の中に
松岡茉優主演「おカネの切れ目が恋のはじまり」の舞台は、おもちゃ会社だ。お荷物社員の猿渡慶太(三浦春馬)は社長の息子。高級マンションに住み、買い物し放題の「浪費男子」だった。
そんな慶太が経理部の九鬼玲子(松岡)と出会ったことで変化が起きる。自分の好きなものを大切にして暮らす「おカネ哲学」だけでなく、この一風変わった「清貧女子」の人柄に引かれていく。
ところが、玲子はカリスマ公認会計士の早乙女健(三浦翔平)に15年越しの片思い中。しかも、ようやく玲子に接近してきた早乙女には妻子がいた。
失恋に泣く玲子。慰める慶太。さあ、2人はこれからどうなる? というところまで来ながら6日の第4話で終わってしまう。7月半ばに三浦春馬が亡くなったことで全話を制作することができなかったのだ。
脚本が同じ大島里美ということもあり、このドラマには昨年の話題作「凪のお暇」の薫りが漂う。人とも世間とも自分なりの「距離を保つ」生き方も現代的だ。玲子の実家が「鎌倉」にある設定。慶太を見守る「カワイイ」キャラクターのロボットなど、ヒット要素をたっぷり詰め込んでいた。
松岡にとって本作がTBS連ドラ初主演。昨年の主演映画「蜜蜂と遠雷」で見せた力量を大いに発揮しているだけに残念だ。また今は亡き三浦春馬の笑顔と好演も記憶にとどめておきたい。合掌。