村本大輔さん 大切なのは「出会い」その瞬間から僕は動く
その席で高校の授業料無償化制度から朝鮮学校が対象外にされるのは違法だという話になった。僕は朝鮮学校で独演会をやったことがある縁で訴訟問題の話は知っていました。
そうしたら「あす、広島で裁判の結果が出るのでメッセージをお願いします」と一成さんから色紙を渡されて。<味方がいるから頑張ってね>って書いたら「日本人が応援してくれるのはうれしい」とポロリと涙を流して……。その瞬間に「僕も広島行こうかな、よし行こう」と決め、翌日、仕事が休みだったので広島へ向かいました。
でも、裁判は負けちゃって、体育館で在日の人たち200人ぐらいで反省会をやったんです。その中に高校生もいた。僕は片隅でずっとその様子を見ていたんですが、大人のみなさんは「裁判でマスクをして話すなんて日本政府が私たちの口を黙らせようとしているからだ」とか怒りの感情が伝わらない話ばかり。
僕はイライラして我慢できなくなって立ち上がり、「ちょっと待った! さっきからずっと聞いてるけど、心が動かないです。負けて悔しいんでしょ?」と話を始めてしまった。すると、大人たちは僕の写真を撮りだして。子供たちは写真なんか撮って、なぜ平気な顔をしているのかと悲しそうな顔をしてましたよ。