前田旺志郎が兄弟漫才から役者への転身を決めた是枝作品
子どもの兄弟漫才「まえだまえだ」で実兄と大活躍し、是枝裕和監督の映画「奇跡」では映画賞を兄弟で受賞した前田旺志郎さん(19)。二十歳を目前に控えた現在は大学生活と俳優活動を両立させているが、ターニングポイントになったのはこの仕事を続けるか、やめるかの岐路で決断した15歳の春で……。
◇ ◇ ◇
僕は3歳の時にタレントスクール(松竹芸能)に入ったんですよ。もともとは兄が幼稚園で極度の人見知りだったらしく、それを発声練習などで直すために、習い事としてタレントスクールの子役コースに入ったらしいんです。
2歳違いの僕は何でも兄と一緒でしたから「僕も航基と同じことやりたい!」と言って入りました。だから、芸能への志は何もないまま、子役を何年かやらせてもらったあとに小学校1年で兄と漫才を始めたんです。兄弟漫才は養成所の特別講習みたいな形で構成作家の方の授業を受けた時に、漫才のネタを1つもらったことがきっかけです。
「M―1グランプリに出てみたい?」と周りから言われ、大阪の子供だからお笑いが大好きで、M―1も毎年見てましたから「出れるんやったら出てみたい」と出場したのが07年でした。