松原みき「真夜中のドア」突如世界で大ヒットの意外な理由
1979年にリリースされた松原みきのデビュー曲「真夜中のドア/stay with me」が、サブスクリプション(定額聴き放題)サービスで、世界的なヒットとなり話題になっている。
この1年で「Spotify」では約460万回再生、「Apple Music」では約100万回再生。「Apple Music J-Popランキング」では47カ国でトップ10入りを果たし、ギリシャ、ブルガリアなどの12カ国で1位を獲得した。まさにワールドワイドにバズっているのだ。
しかし突如起こったこのブームを本人は知らない。松原さんは、79年デビュー。端正なルックスでシングル17枚、ベスト盤を含むアルバム15枚をリリースしたが、2004年に子宮頚がんのため44歳の若さで亡くなっている。音楽評論家の富澤一誠氏はこう語る。
「当時のニューミュージックの歌い手たちは、自分で作詞・作曲をする“シンガー・ソングライター”が大勢でした。その中で、杏里さんや中原理恵さん、そして松原みきさんのようなシンガーが『シティーポップス』の歌い手として出てきたんです。『真夜中のドア』の作曲は林哲司さんですが、当時、洋楽に負けない都会的で洗練されたポップスを目指していたと思います」
世界的ヒットの背景には、インフルエンサーの存在もある。登録者数121万人を誇るインドネシアのユーチューバーで、数々の楽曲をカバーしているRainych(レイニッチ)が、ことし8月に同曲を日本語でカバーしたことも、ブームに拍車をかけたようだ。