川崎希、春名風花…エスカレートする炎上に法的手段が増加
さて、コロナ禍のストレスからか、炎上における批判の言葉は苛烈さを増している。だが、行き過ぎたバッシングや誹謗中傷に泣き寝入りせず、いわれのない炎上被害者が対抗措置を行使する動きが顕著になっている。
昨秋、元AKB48の川崎希が、誹謗中傷をしていた相手の情報開示を求める手続きを行ったと発表して話題を集めた。その後、2人が実際に書類送検され、著名人であっても炎上被害に泣き寝入りしないという流れの端緒ができたことから、ネット炎上史の上でも、ひとつの転換点となった。
川崎の場合、海外に滞在している最中に「(自宅に)放火するチャンス」と書き込まれ、妊娠中には流産をはじめ、母子の命や健康を呪う投稿がたびたびSNSにあったのだから、度が過ぎていたのは明らかだ。
芸能人はプライバシーの切り売りを含めて活動しているのだから過激な言い方をされるのも織り込み済みだろう、嫌なら見るななどと訳知り顔の書き込みがネットで見られるが、もちろんそんな理屈は通用しない。
プライバシーの公表を理由に具体的に生命や生活を脅かされていいはずがなく、合法的な対抗手段を取るのは当然だ。今年に入り、炎上被害者の救済手段が政治の場や法曹界で活発に議論されているのも、もはや看過できない「事件」であるとの社会の認識が強まった