「逃げ恥」が訴えかけたもの 現代社会を生き抜くための知恵
「男が育休取ってもやることないよ」と男が育休を取ることに対する理解度の低さ。さらに平匡さんを苦しめてしまう「理想の父親にならねば」という重圧。男と女で役割を分けることよりも、「2人で役割を補い合う」ことの方が、今という世の中を生きるために必要な視点なのだと、改めて思わされた。
今まで当たり前のように存在していた「女として」「男として」というそれぞれの呪いは「社会全体で考えるべき問題」へと変わり、それが誰かの「つらい」にも変わってしまうのだ。
■立ち向かうための「逃げ」
辛い時につらいと言えないことが、一番つらいことだ。辛いと言うことは「逃げ」だと思うこともあるだろう。しかし、みくりと平匡は逃げることで打開策や、2人が「ともに」歩める道を見出してきた。
だから向き合うための「逃げ」であれば「恥」でもないし、「休む」ことは「悪」でもなく、それを互いに許容しあえる社会にみんなでしていこうよ、というメッセージを今作から強く感じた。