29年ぶり抜擢昇進…披露パーティーはコロナ禍時代に即して
2月11日から新宿末広亭を振り出しに桂宮治の真打ち披露興行が始まった。落語芸術協会で先輩を飛び越しての抜擢昇進は、春風亭昇太以来29年ぶりで、以前から「逸材」との評判が高い。初日の翌日、宮治にインタビューした。
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「おかげさまで初日は大入り満員でした。ようやく始まったという感じで、これから40日間の長丁場です」
まずは、真打ち昇進が決まったいきさつを伺おう。
「去年の正月に昇太会長から電話があり、いきなり『準備はできてるか』と言われまして。昇進の話は以前から出ていたのがわかってましたので、『あ、いよいよか』と。『準備はできてません』なんて口が裂けても言えないので、『はい、できてます』と答えました。それで3月の理事会で正式決定したわけです」
ちょうどコロナの感染が広がり始めた頃である。
「披露興行は翌年2月と決まったので、それまでには収まって、披露目ができるだろうと楽観視してました。まさか年明けに再び緊急事態宣言が出るとは思ってもいませんで」