古典落語には隠れてお酒を飲もうとする噺がありますが…
驚きましたねぇ、令和の禁酒法。飲食店や居酒屋の方は寝耳に水。酒飲みたちには青天の霹靂。SNSでは「置いてあるお酒を飲んだ場合は1杯500円の罰金」なんてトンチの利いたお酒の売り方が出てました。提供はしてないしあくまでも罰金ですからセーフですよね。
どうやったら飲めるか、飲ませられるかを考えるのは楽しいですね。ホッピーのソトだけ店の中で売って、ナカを店の外で売ればセーフでしょうか。外が中で中が外ってわかりづらくてすみません。お酒のセミナーを開いてて「教材費を納めたあとは試飲し放題」なんていう手口もいいですね。日常でウーロン茶をオーダーしてもアルバイトがうっかりでウーロンハイを提供してしまうなんてことがたまにありますが、それを逆手に取って「うっかり希望」とオーダーするとアルコール入りにしちゃうとか。
古典落語には禁酒番屋、二番煎じといった隠れてお酒を飲もうとする噺があります。禁酒番屋は屋敷内にお酒持ち込み禁止になってるにもかかわらず酒屋に何とか届けるように注文。酒屋は入り口の門番の目をかいくぐって持ち込むためにいろいろ策を弄します。菓子屋に扮してカステラと偽ったものの、包みの重さを疑われ、中からは酒。それでも「水カステラ」ですと強弁すれば門番たちの方が一枚上手。水カステラを検査するといって門番がガブガブという噺。もうひとつの二番煎じは冬の火の用心の夜回り。その合間に番小屋に酒を持ち込み猪鍋で一杯。酔っぱらってるところに見回りの侍がやって来て苦し紛れに「煎じ薬」と答えれば侍が飲みたがり帰り際には「二番を煎じておけ」。