<122>「代表」の法人登記は野崎幸助のまま…早貴被告は未亡人という立場なのに報酬を得ていた
「エッ?」
早貴被告の目が激しく動き出した。
「たしかに代表と登記されていればキミには権利はあるかもしれない。だけどキミはそうじゃない。もしかすると捕まるよ」
「だって弁護士先生は(代表になったと)言っていたんですから」
慌てた彼女はその場で、女性弁護士のUさんにLINEでメッセージを送った。
「登記は申請中だからって返事がきました」
「申請中にもなっていないよ。勝手に会社のお金を取ったとなれば窃盗とか横領の罪に問われることになるんだから」
その後、早貴被告はU弁護士から「誤解があるけど大丈夫」と言われたという。5階も6階もない。登記簿謄本が変更されて代表が早貴被告になったのはそれから10日ほど経ってからのことだった。
この件に関連して当時、フライデー編集部から弁護士の事務所に質問を送っている。その回答書には〈野崎氏の妻は、平成30年7月30日付けで代表取締役及び取締役に就任〉とした上で、〈役員就任に関し登記簿上への反映がされていない点ご指摘を受けましたが、こちらについては当職らが法的には支援しておりますが、登記申請の手続きについては受任をしておりません〉とあった。だが、代表就任の手続きには疑義があるという刑事告発状が2020年6月に田辺警察署に提出され、すでに受理されているし、登記の変更申請には早貴被告の弁護士の名前がハッキリと書かれてあった。