<125>早貴被告との面会を弁護士は頑なに拒否「回答は差し控えさせていただきます」
「吉田さんは早貴さんとお会いしたことはあるんですか?」
唐突に話題を変えてきた。形勢を逆転させようとしているようだ。
「ありますよ。当然じゃないですか」
「早貴さんは、私たちが弁護活動をしてからは吉田さんと会ったこともないし、しゃべったこともないとおっしゃっているんですが」
鬼の首でも取ったような言い方だった。
「アホかいな。10月半ばに早貴さんがLINEでキミに代表取締役になっていないことを相談したときも横にいたのはボクなんですから」
「それは本当ですか?」
「なにを寝ぼけたことを言っているんですか。早貴さんに聞いてみればいいじゃないですか」
彼女らしいなあと私は思ったが、弁護士は早貴被告との信頼関係が崩れていたことに相当なショックを受けているようだった。
「これは記事になるんですか? 今週号に掲載されるんですか?」