六本木歌舞伎「ハナゾチル」A.B.C-Z戸塚祥太の使い方がもったいない!
市川海老蔵の六本木歌舞伎の第4弾「ハナゾチル」が18日に開幕した。海老蔵はこの公演について「伝統文化を現代の皆さまに感覚的に感じていただくために、古典を少し面白くつくり変える」と語っている。選ばれた古典は、河竹黙阿弥の「青砥稿花紅彩画」、通称「白浪五人男」で海老蔵が弁天小僧を演じ、ジャニーズのA.B.C-Zの戸塚祥太が共演している。
「つくり変える」と言うほどには改変していない。人物設定もストーリーも原作そのままで、むしろ歌舞伎座で普段は上演しない、「初瀬寺」と「浜松屋蔵前」の場も出すので、完全版に近い。初めて見る人にもストーリーが分かるようにするのは海老蔵のポリシーで、今回も「白浪五人男」の物語が分かり、楽しめる。
そこに、戸塚演じる現代の青年がタイムリープして江戸時代へ行き、「白浪五人男」の世界に紛れ込むという設定が加わる。
これを休憩20分を含めて2時間に収めるため、何よりもセリフのテンポが速い。録画を少し速く再生している感じで、「ファスト歌舞伎」とでも言おうか。