著者のコラム一覧
児玉愛子韓国コラムニスト

韓流エンタメ誌、ガイドブックなどの企画、取材、執筆を行う韓国ウオッチャー。新聞や雑誌、Webサイトで韓国映画を紹介するほか、日韓関係についてのコラムを寄稿。Webマガジン「オトナの毎日」でイラストエッセー【毎日がエンタメ】を連載中。

線路しかなかった町の奇跡! 韓国では秘境の「手作り駅」が観光スポットに

公開日: 更新日:

 そのため周辺住民が簡易駅を作り、鉄道庁に臨時乗降場を請願。88年4月に「両元駅」として朝夕2本だけ列車が停車することになった。

 ごく限られた住民のための小さな無人駅は利用客が少なく、一時は廃止の危機に追い込まれたが、本当のドラマはここから始まる。駅がなくなれば、住民は代わりのバスに乗るために6キロ近くも山道を歩かなければならない。そのため、用がなくても隔日で電車に乗車し、利用客を増やす努力をしたのだ。

 2013年にトロッコ風の観光列車「V-train」が運行を開始すると状況が一変する。秘境にある「両元駅」そのものが観光スポットとして注目されるようになった。のどかな列車の旅は、洛東江(ナクトンガン)という川を見下ろせ、近くにはトレッキングコースもある。「両元駅」では10分の観光停車時間が設けられ、周辺住民が山菜などの農産物を売りにくるようになった。

 駅の誕生から34年が過ぎた今、少し用途が変わった気もしなくもないが、「両元駅」は乗り鉄と映画ファンの憩いの場になっている。まさに住民たちが起こした奇跡で、多額の税金を投じるハコモノ行政などは必要ない。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2

    悠仁さまは学習院ではなぜダメだった?大学進学で疲弊する宮内庁職員「もうやめたい」と悲鳴

  3. 3

    大阪府の8割の小売店でコメ品切れ発生だが…吉村知事「備蓄米放出しろ」が腑に落ちないワケ

  4. 4

    巨人「助っ人野手の獲得下手」汚名返上できた納得の理由…今年はなぜ2人とも“当たり”?

  5. 5

    そんなに女性天皇がいやなのか…最近の雅子皇后いじめの裏にあるもの

  1. 6

    佐々木朗希にメジャースカウト「合格点」も…“投げては休む”は米国で受け入れられるのか

  2. 7

    巨人・坂本勇人は《潔くユニホーム脱ぐべき》低迷でも“1年延命”で現役続行か

  3. 8

    故・川田亜子さんトラブル判明した「謎の最期」から16年…TBS安住紳一郎アナが“あの曲”を再び

  4. 9

    “異例の成績”報道の悠仁さまに東大の「共通テスト重視」が与える影響は?

  5. 10

    やす子に始まり、やす子に終わった…一体、誰のための「24時間テレビ」なのか