「朝まで生テレビ!」打ち切りへ秒読み段階 昨年9月にテレ朝幹部が田原総一朗氏に“最後通牒”
テレビ討論番組の一時代を画した「朝まで生テレビ!」の打ち切りカウントダウンがいよいよ始まった。
朝生は4月29日深夜の放送で35周年を迎えた。この日は第1回放送に出演した菅直人元首相、舛添要一前都知事も迎え、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて「戦争と平和」をテーマに珍しく紛糾なく放送を終えた。
しかし、朝生は既に番組終了に向けてカウントダウンに入っている、とテレビ朝日関係者は明らかにした。
「この7カ月、外交・経済・コロナ禍と永田町ネタを直接取り上げることなくきました。しかし、事件は昨年9月に起きていたのです」
昨年9月24日放送の朝生は5日後の自民党総裁選挙を、「コロナ禍の総裁選とニッポンの課題」と題して取り上げた。
「司会の田原総一朗さんは河野太郎を総裁・総理にしなければいけない、その姿勢を番組で打ち出すと大騒ぎしたのです」(前出のテレ朝関係者)
第2次安倍政権以降、政権与党のメディア監視は強まり、特に政権に批判的と見られたテレ朝、朝生は目の敵にされたという。
河野太郎支持を生放送でぶち上げれば、放送免許取り消しをちらつかされた第2の椿事件になりかねないと番組関係者は必死に止めた。幸い田原氏は河野支持を生放送で口にすることはなかったが、その憤まんは出演者に向かった。ビデオジャーナリストの神保哲生氏の発言を遮り続け、自らの政治家取材の経験、日本の戦後復興に関する私見をとうとうとまくしたて続けた。国際政治学者の三浦瑠麗氏に「田原さん、独演会はやめましょうよ」とたしなめられるほどだった。
7月には参院選挙控え、永田町ネタは避けられず
「放送直後に、テレ朝報道担当取締役と報道局長が田原さんを訪ねて、今後あのような不体裁があったら、朝生を打ち切ると通告したのです。これまでも田原さんの暴走阻止のために事前収録を強制したことがあったが、今回は最後通牒にも等しい」(前出のテレ朝関係者)
これに田原氏自身も危機感を覚えてか、表向き自粛、また番組スタッフも田原氏が興奮してしまう永田町ネタを避けたためここまで7カ月は事なきを得たが、この7月には参院選挙が控えている。永田町ネタを避けようにも避けることはできない。
「田原さんは今年3月、『週刊朝日』の連載で勘違いから、わび訂正を出したように、最近は根拠の不確かな言説と自慢話のオンパレード。今では駿馬も老いては、で周囲の言うことも耳に入りません。6月最終金曜深夜の朝生が、昨年9月の再現となれば一巻のおしまいです」(前出のテレ朝関係者)
テレ朝社内からは問題番組となり下がってしまった朝生の打ち切りを歓迎する声すら聞こえてくる。これから2カ月、どうなることか。