上島竜兵さんは“気遣いの人” よく思わないスタッフは日本中一人もいない
生放送の際には、スタジオにいる私に「ここでボケてもいい?」「ここでキレてもいい?」という、アイコンタクトをされ、私は胸の前で小さく丸印を作りOKサインを送ったり、「もう少し待ってください」と手のひらを下に向けて“抑えて”と、上島さんと私しかわからない合図を交わしていました。ボケた後も必ず私の方を見てこられ、「OKです」と丸印を作ると上島さんは笑顔で小さくガッツポーズをされていました。常にご自分のウケより全体のウケに気を配り、ほんとにしっかり押し引きのできる“プロフェッショナル”でした。
師と仰ぐ志村けんさんのお話を伺うと、直接電話をもらって酒席に伺い、数日後に「バカ殿」の仕事が入り、後に「家来として出ろよ(レギュラーになること)と言われた時はうれしかったですね。夢みたいでした」とその時のことを思い出すように目を潤ませて話しておられました。
喜劇が好きで、将来は「“笑わせて泣かせる”人情喜劇をやりたいですね」と熱く語っておられた上島さん。天国の志村さんが「おめーが来るのは早すぎるんだよ!」と叱っておられそうですが、“師弟”で喜劇談議に花を咲かせていることでしょう。
謹んでご冥福をお祈りいたします。