松嶋尚美の最大の強み 余計な忖度や打算のない天真爛漫な笑顔
先日、お母さんの介護をしているという記事を見て、松嶋さんのことを思い出したので書かせていただこうと思います。
初めて会ったのは、オセロとしてデビュー間もない1990年代半ば。構成していた情報番組の中で半年間、3分ほどのVTRでコント仕立てのスポンサー広告を作る際に起用されたのが若手芸人のオセロでした。台本を書く前に資料としてビデオで何本かの漫才を見ていて、正直なところ“発展途上”でメチャクチャ面白いという印象はありませんでしたし、これといった特徴も感じませんでした。それでも初めての打ち合わせで実際に会ってみると“知的な中島”“天真爛漫な松嶋”という、コントラストのいいコンビという印象に変わりました。特に松嶋さんは、目を見開いて食い入るように話を聞きながら、時にはじけるように豪快に笑って、あわてて手で口をふさいでいた姿が今も印象に残っています。
後にコンビは解散しましたが、松嶋さんの輝きは増し、天真爛漫さはそのままに、みなさんご存じのように彼女ならではのポジションを確立しています。
長らく会っていなかったのですが、十数年前のある日、東京の仕事から帰ってきた新大阪駅の構内で、改札から入ってくる松嶋さんと遭遇しました。私は遠目で気がつきましたが、構内にはお客さんが多くいたので、声を掛けずにやりすごそうと思っていると目が合った瞬間に「本多先生~!」と構内に響き渡るような声で手を振り、目深にかぶっていた帽子をとって「お疲れさまです。ごぶさたしてます!」と駆け寄ってきてくれました。「ごぶさた。大活躍やな」と言うと、「ありがとうございます!(これから)東京ですか?」「帰ってきたとこ、東京?」「はい、これから行ってきます。うわ~うれしい!」と話していると周りに人の輪ができていました。