エイベックス松浦会長の「ブス」「ババア」侮辱発言は営業妨害になる? 弁護士の見解は
②偽計とは、人を欺罔し、または人の不知、錯誤を利用することを言います。松浦氏の行為によって、騙されたり、勘違いするということはあまり考えにくいため、これも当たりません。
③威力とは、人の自由意思を制圧するに足りる勢力の使用を言いますので、今回のような発言行為が当たることはないと思います。憲法21条で表現行為は保護されていますので、そう簡単に表現行為の違法性を問うことは難しいのです」
しかし、民事上の問題になると話は変わってくるという。
■「どれだけ損害を被ったのか」を立証する必要性
「先程の①~③に該当しなくても、不法行為が成立する場合には、損害賠償請求は可能です。ただし日本の裁判所は、いわゆるアメリカで認められている懲罰的損害賠償は、採用しておらず、実損を補填するだけです。これだけで慰謝料請求というのは容易ではありませんし、業務妨害、営業妨害という場合には、それによって別の芸能事務所がコンサートが中止になったなどの、どれだけの損害を被ったのか具体的に立証しなければなりません。ネガティブキャンペーンについても、おそらく日本はアメリカよりもネガティブキャンペーンに対しては寛容ではないと思います。それによって、実際ある商品が売れなくなったり、売上が極端に落ちたということがあれば、営業妨害として損害賠償請求を受ける可能性があります」(吉岡弁護士)