「オーディション商法」の実態…アイドルや女優志望者を食い物にする悪徳芸能プロが跋扈
アイドルや女優を夢見る若い女性らを餌食にする「オーディション商法」。デモテープとして、仮の歌を吹き込む「仮歌」や、映画などのエキストラを求人サイトなどで募集し、架空のオーディションを受けさせたあと、説明していなかった高額なレッスン受講を持ちかけて、強引に勧誘する。そんな悪徳芸能プロが跋扈している。
愛知県警がこのほど特定商取引法違反(目的隠匿誘引、不実告知など)の疑いで逮捕した芸能プロ幹部らは2018年以降、全国11府県の男女約1100人から約2億円を売り上げていた。受講しても実際に映画出演することはなく、被害者は踏んだり蹴ったりだ。ことし5月には「家族に相談したい」と答えた女子専門学生(19)に対して「19歳は成人だ。相談せず一人で決めろ」などと2時間以上にわたって詰め寄り、10万円を支払わせていた。
「これは氷山の一角」と、ある芸能プロデューサーがこう言う。
「有名どころの大手も含めて、今や芸能プロダクションの大半が高額なレッスンを受講させて稼いでいますからね。タレントの新人オーディションであったり、映像作品の公募であったりしますが、手口は一緒。『素晴らしい。よくできました』と喜ばせ、『ただプロとして仕事にするには、スキルアップが必要』と、レッスン勧誘をはじめる。昨今はより悪質になってきています」