著者のコラム一覧
高倉文紀美少女・女優評論家

札幌市生まれ。女優評論家。Webサイト「タレントパワーランキング」(アーキテクト=https://tpranking.com/)、雑誌「日経エンタテインメント!」(日経BP社)などで女優や女性アイドルなどの取材・分析を手がける。映画パンフレット、芸能プロダクション・企業向け分析リポートの執筆も担当。note個人クリエーターページ(https://note.com/tokyodiorama/)。

吉高由里子は雑草育ちの叩き上げ 繊細さと可憐な透明感は健在

公開日: 更新日:

 所属事務所は大手のアミューズではあるが、最初から華々しい道を歩んできたわけではなく、叩き上げと言ってもいい、雑草育ちの一面がある。主演女優としてすっかり定着した今となっては、そういう彼女の軌跡を知らない視聴者が意外と多いかもしれない。

 吉高由里子は、なかなか解けない複雑な数式のように、意外性とワクワク感にあふれている女優だ。

 初めてインタビューしたのは彼女が19歳の頃だが、「旅行で乗りたい乗り物は」という質問に「ロケット」と答えたり(雑誌「girls!」vol.23.07年10月発売)、予想を裏切る自由な答えが返ってきて、楽しかった。

 そのときに彼女は自動車の運転免許を取ったばかりという話をしてくれて、「自分で運転していると、大人になったなあと思う半面、ちょっとさみしい気もして、複雑ですね」(同)と言いながらほほ笑んだことを覚えている。

 大人になるさみしさ。その詩的な言葉を聞いて、女優向きの感性の片鱗を感じるとともに、ハートの繊細さを垣間見た。吉高由里子が見せる演技に奥深さがあるのは、そういう彼女自身の繊細さに由来している気がする。30代になった彼女は、大人の魅力を増しながらも、パステルカラーがとてもよく似合いそうな、可憐な透明感は、20代の頃から変わっていない。

 今回の主演ドラマの「大人のピュア・ラブストーリー」というテーマは、透明な見た目と深い演技の対比が魅力的な30代の吉高由里子だからこそ演じられるモノとして期待感が高い。

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    松本人志「事実無根」から一転、提訴取り下げの背景…黒塗りされた“大物タレント”を守るため?

  2. 2

    島田洋七が松本人志復帰説を一蹴…「視聴者は笑えない」「“天才”と周囲が持ち上げすぎ」と苦言

  3. 3

    人気作の続編「民王R」「トラベルナース」が明暗を分けたワケ…テレ朝の“続編戦略”は1勝1敗

  4. 4

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  5. 5

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  1. 6

    松本人志が文春訴訟取り下げで失った「大切なもの」…焦点は復帰時期や謝罪会見ではない

  2. 7

    窪田正孝の人気を食っちゃった? NHK「宙わたる教室」金髪の小林虎之介が《心に刺さる》ファン増殖中

  3. 8

    井上真央ようやくかなった松本潤への“結婚お断り”宣言 これまで否定できなかった苦しい胸中

  4. 9

    菊川怜が選んだのはトロフィーワイフより母親…離婚で玉の輿7年半にピリオド、芸能界に返り咲き

  5. 10

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇