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てれびのスキマ 戸部田誠ライタ―

1978年生まれのテレビっ子ライター。「芸能界」というビジネスは、いかにして始まったのか。貴重な証言を収録した「芸能界誕生」(新潮新書)。伝説の番組「アメリカ横断ウルトラクイズ」を基に描く青春群像ノンフィクションノベル「史上最大の木曜日 クイズっ子たちの青春記」(双葉社)。2つの最新著が絶賛発売中!

淡谷のり子さんの辛辣なダメ出しがあったから 清水アキラの芸は磨かれた

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「『面白けりゃ勝ち』という時代。『本人怒らないの?』というのは二の次だった」(光文社「FLASH」2019年6月11日号)というように、五木ひろしの「よこはま・たそがれ」を「ヨコハメ タテハメ」と卑猥な歌詞で歌い、橋幸夫の「恋のメキシカン・ロック」では、なぜかスクール水着を着て歌った。

「この人崩しちゃったらどうなるんだろうって考えてたら、水着が出てきた。橋幸夫さんに『何で俺水着なの?』と言われたけど、俺もよくわからないんですよ(笑)」(徳間書店「アサ芸プラス」12年11月29日) 

 代名詞となる「セロテープ芸」は、ネタがなくて焦っている時期に遊びの延長から生まれた。営業先の楽屋にセロテープが置いてあり、それを顔に貼って遊んでいたら「研ナオコさんに似ているんじゃないか」とマネジャーが言ったのだ(同前)。テレビ初披露のときは体が震えたという。

 その1989年3月、研ナオコの「夏をあきらめて」のものまねで、淡谷のり子を笑わすことに成功。淡谷も「10点」をつけ、ついに100点満点を獲得し、清水は泣き崩れた。淡谷は「真面目にやればできるじゃない」とコメントしたが、「ぜんぜん真面目じゃない」と清水は笑った上でこう胸を張るのだ。

「ただね、淡谷さんが辛辣に駄目出ししてくれたから、芸が磨かれた。(略)演出家や作曲家、歌手など、ものまねを知らない人が評価してこそ、価値がある」(「FLASH」=前出)

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