「航空機ペット同席問題」芸能人も巻き込んだ大論争に発展→議論が深まるために必要なこと
「情緒的になるべきではない」
「現代にゃん語の基礎知識2018」(自由国民社)などの著書があり、専門誌にも携わるライターの鈴木美紀氏はこう話す。
「単に“ペットが可哀想”とか“人間の命の方が優先”などと感情的な理由で騒ぐのは必要な議論が深まらないのでよくないと思います。現状としてはスターフライヤーの国内線ほか、静かに対応が進んでいるところですが、そもそも飛行機に乗せる必要が本当にあるのかということも含めて考えていかないといけません。
新幹線などの陸路、船舶など海路は、飛行機に比べて同席が認められているケースが多いのです。しかし乗車時間は短くなるものの、何かあった時のリスクは、空路の方が、途中で降りられない分シビアです。そしてたとえ同席できたとしても、緊急時には手荷物を持たずに脱出することを求められるため、必ずしも助けられるシステムにはなっていません」
客室へのペット同伴を巡っては、「スターフライヤー」が1月15日から、国内線全便で、国内初となる小型の犬や猫と客室に同伴できるサービスを始める。一方、国際線では、「エールフランス」、「エア・カナダ」「ルフトハンザ航空」「ユナイテッド航空」「大韓航空」など、条件を満たせばペットの同乗は可能な航空会社もあるという。
「マンションのエレベーターなどでも“ペット利用可”などと分けられていることも多くなっています。命の危険に関わるペットアレルギーを持つ方もいますから、そうしたリスクも十分に考慮して、情緒的にならずに、ペットと人間にとってなにが最善か、冷静に議論を深めていくべきだと思います」(鈴木氏)
飼い主にとっては家族同然の存在であることは確か。だが、災害時の避難所でのペットの扱いなども含め、感情的になりがちなだけに、さらに議論を深めていく必要がありそうだ。